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内縁の妻の相続権は?内縁の夫の財産を受け取る方法と対策とは?
2024.07.31
相続
内縁の妻の相続権は?内縁の夫の財産を受け取る方法と対策とは?

日本の法律では、内縁の妻には法定の相続権が認められていません。
しかし、パートナーが亡くなった際に残された財産を守る方法、受け取る方法は存在します。

この記事では、内縁の妻が遺産相続に関して持つ権利や法的根拠や、
具体的な相続手続きを解説します。内縁の妻が夫の財産を相続するには、
法的な認識と準備が必要です。
しかし、適切な準備と対策を行うことで、内縁の妻も夫の遺産を受け継ぐことができるでしょう。

内縁(事実婚)の妻には相続権がない!遺産は誰の手に?

内縁(事実婚)の妻は、法律上の婚姻関係にないため、配偶者としての相続権がありません。
遺産の分配は、まず法定相続人に行われます。
法定相続人には、嫡出子・子供・親族が含まれます。
しかし、内縁の妻は、遺言によって親族に限らず、遺産を受け取ることが可能です。
したがって、遺言書の作成を検討することが大切です。

なお、生前贈与や特別控除、生命保険を活用する方法もあります。
税理士や専門家へ相談することで、適切な対策が見つかるかもしれません。

内縁の妻との間の子はどうなるか

内縁の妻との間の子は、父親が認知すれば、法律上の父子関係が成立し、相続権が与えられます。
しかし、認知されていない場合は、法定相続人に含まれません。
このような場合でも、遺言によって遺産の分配を調整することができます。

また、子供の相続権は、生前に父親が認知することで確定します。

子を認知していれば相続権がある

子を認知している場合、子は法定相続人として相続権があります。
認知された子は、父親と同等の法律上の権利が保障されます。
相続権だけでなく、扶養義務や親権なども含まれます。
認知手続きは、子供の権利を守るために大切な手続きです。

また、遺留分を求める権利もあります。
遺留分とは、法定相続人が受け取るべき遺産の最低限の部分で、遺言によっても侵されない権利です。

相続権がない場合の対策

相続権がない場合でも、遺産を受け取る方法がいくつか存在します。

まずは、遺言による遺贈を受ける方法があります。
遺言書を作成し、遺言によって財産を受け取ることができます。

また、生前に贈与を受ける方法も有効です。
贈与には税金がかかりますが、一定の金額まで控除が受けられるため、
税務の側面からも負担を軽減することができます。

不動産や保険の名義変更を行うことも対策の1つです。
名義変更によって、財産の承継をスムーズに行うことができます。

どの方法が最適かは、専門家である税理士や弁護士と相談しながら判断することが重要です。

内縁(事実婚)と認められる条件

内縁(事実婚)と認められる条件はいくつかあります。

  • お互いに婚姻の意思があること
  • 同居し、夫婦としての生活を営んでいること
  • 第三者から夫婦として認識されていること

これらの条件を満たしている場合、内縁と認められ、婚姻に関する法的な権利や義務が発生します。

ただし、内縁が法的に認められるかどうかは、
事実関係を詳細に調査・解説した上で判断されるため、
具体的なケースについては専門家に相談することが望ましいです。

お互いに婚姻の意思を持っている

お互いに婚姻の意思を持っているとは、
パートナーと結婚しようという意思が両者にあることを示します。

婚姻の意思があることを証明する方法として、
2人で同じ居住地に住んでいることや、共同生計を営んでいることが挙げられます。

また、周囲の人々から夫婦として扱われていることも、
婚姻の意思があることを示す証拠になります。
例えば、親族や友人が2人を夫婦と認識しているか、
または社会的な場で夫婦として扱われているかどうかの確認が求められます。

婚姻の意思が確認できれば、内縁として認められやすくなるでしょう。
ただし、事実婚の判断は個々の事情によって異なります。

共同生活を送っている

共同生活を送っている内縁の夫婦には、法的な結婚をしていないため、
法定相続人としての権利がありません。
しかし、内縁の夫婦には、相続に関する対策が必要です。

まず、遺言を作成し、相続財産の分割や遺産の管理方法を明確にすることで、
相続に関する権利を確保することができます。
また、生前贈与を活用することで、相続税の負担を軽減できます。

社会的に夫婦として認められている

社会的に夫婦として認められている内縁の関係でも、法律上の婚姻ではありません。
しかし、法定相続人としての権利がないため、
遺留分や特別受益権が認められない内縁の関係であっても、
遺言を作成することで互いに相続権を保証することができます。
また、生前に贈与を行うことで、相手に財産を引き継ぐことができます。

内縁の妻に遺産を相続させる方法

内縁の妻に遺産を相続させる方法として、まず遺言書を作成することが有効です。
遺言書により、遺産の分割や具体的な対応を明確に示すことができます。
専門家と一緒に遺言書の作成を進めることで、円滑な手続きが可能です。

また、生前贈与を行うことで、相続税の負担を軽減し、
内縁の妻に安心して財産を引き継ぐことができます。

1.遺言書を作成する

遺言書を作成する理由は、
自身の財産を後世に残す形を自分で決めることができるという利点があります。
具体的に、兄弟姉妹や親等の血族も含めて誰に、土地など何の財産を残すか、
またその方法を決定することができます。
遺言書が存在しない場合、法定相続に従わざるを得なくなり、
自分の意思が反映されない可能性があります。

遺言書を作成する際のポイントとして、遺言者本人の意思が明確に記載されていることが重要です。
また、遺言書の内容が法律に基づいていることも必要です。
遺言書作成に専門的な知識が必要な場合は、
弁護士や税理士といった専門家に相談してサポートを受けましょう。

遺言書を作成した後は、遺言執行者が遺言書の内容に従って遺産分割を進めることになります。
遺言執行者は信頼性があり、遺言書の内容を適切に実行できる人が望ましいです。
遺言執行者には弁護士や税理士を指名することもできますので、検討してみてください。

遺言書の種類と作成方法

遺言書にはいくつかの種類があり、それぞれ作成方法が異なります。主な種類は以下になります。

  • 公正証書遺言:
    公証人が作成し、証人が立ち会う形で行われます。信頼性が高く、遺言書の保管も行われます。
  • 自筆証書遺言:
    遺言者が直接手書きで作成し、署名捺印を行います。
    簡単に作成できますが、保管の責任は自分で負う必要があります。
  • 口述証書遺言:
    法律専門家に口述し、証書が作成されます。緊急の時に適した方法です。

それぞれの遺言書の種類によって、内容や手続き、料金が異なりますので、
自分にふさわしい遺言書の種類を選びましょう。

遺言書に記載すべき内容

遺言書に記載すべき内容は、遺言者の意思が明確に伝わるものであることが大事です。以下は、遺言書に記載すべき基本的な内容です。

  • 遺言者の氏名、住所、生年月日
  • 遺言執行者の氏名、住所、生年月日
  • 遺産の相続人に関する情報(氏名、住所、続柄など)
  • 遺産の具体的な分与方法
  • 生前贈与や遺贈に関する情報
  • 遺言者本人の署名捺印

遺言書に必要な内容がすべて記載されていることを確認し、
適切な遺言書の種類と作成方法に従って遺言書を作成しましょう。
遺言書の内容が明確であれば、遺族が円滑に遺産相続を進めることができ、
争いが最小限に抑えられます。

2.生前贈与を行う

生前贈与は、相続人に財産を寄付する方法で、相続税の節税対策として有効です。
生前贈与を行う理由は、相続人が財産を必要としている場合や、
遺産分割を円滑に進めたい場合が挙げられます。
具体例として、子供の結婚や教育資金の援助、自営業の開業資金などがあります。

生前贈与には制度上の特例があり、一定の条件を満たすことで相続税の控除や非課税が適用されます。生前贈与を行う際には、税理士や弁護士と相談し、贈与の方法や範囲を決定することが重要です。

ただし、生前贈与を行うには注意点もあります。
贈与後に寄付者が生活資金に困ることがないよう、事前に慎重な計画が必要です。
また、上限が年間110万円以内、被相続人の死後からさかのぼって計算することもあるため
必ず専門家に相談することをおすすめします。
生前贈与で相続がスムーズに進むこともありますが、
場合によっては遺留分の問題が発生することもあるため、
事前に遺言書の作成や家族との協議が大切です。

生前贈与のメリットとデメリット

生前贈与のメリットは、次の通りです。

  • 相続税の節税効果
  • 贈与者の意思の反映
  • 遺産分割の円滑化
  • 財産管理や生活費の援助

その一方で、デメリットも考慮する必要があります。

  • 贈与税の負担
  • 寄付者の生活資金の確保
  • 遺留分の問題

そのため、生前贈与を行う前には、メリットとデメリットをじっくりと比較検討し、
専門家と相談することが重要です。

生前贈与の手続きと注意点

生前贈与の手続きは、まず贈与の対象となる財産の選定をします。
次に、贈与税の計算方法や非課税の特例を理解し、適切な金額を決定します。
そして、適切な書類を作成し、税務署に提出します。

注意点として、生前贈与は遺留分の問題を引き起こすことがあります。
遺留分は、相続人が法定相続分の一定割合を受け取る権利であり、
遺言や贈与によって侵された場合、相続人は遺留分減殺請求の申し立てができます。
遺留分減殺請求を防ぐためには、事前に遺言書を作成し、家族との協議を重ねることが大切です。

3.生命保険の受取人にする

生命保険は、亡くなった方の家族やパートナーに経済的な支援をします。
これは、特に内縁関係にある場合に役立ちます。
生命保険の受取人を内縁の妻に指定することで、相続財産とは別に保障を受けることができます。

具体的には、生命保険の受取人になることで、
保険会社から保険金が直接支払われるため、
相続税や贈与税の対象になりません。
また、生命保険は遺言や遺産分割協議の対象外ですので、トラブルも回避できます。

しかし、受取人指定には注意が必要です。
例えば、内縁関係が法的に認められていない場合、受取人として指定できないことがあります。
そのため、事前に税理士や弁護士と話し合って、適切な方法を見つけてください。

また、内縁関係が認められていても、他の相続人がいる場合は、
遺留分の侵害による遺留分減殺請求が発生することがあります。
家庭裁判所への申し立て避けるためには、遺留分を考慮した上で保険金額を設定する必要があります。

4.特別縁故者の手続きをとる

相続税や遺産分割において、特別縁故者の手続きをとることで、
適切な対策を講じることができます。
特別縁故者とは、特に近い親族や婚姻関係にある人のことを指し、
内縁の妻や事実婚の夫などが該当します。

特別縁故者の手続きを行うことで、税制上の優遇措置や遺産分与の際に、
より適切な取り扱いが受けられる場合があります。
例えば、相続税の控除額が増加したり、
遺産分与の際に配慮がある形で分割が行われたりすることが期待できます。

特別縁故者として認められる条件

特別縁故者として認められる条件は、まず内縁の関係にあることが求められます。
内縁とは、婚姻届けを提出していないものの、事実上夫婦同様に生活している関係を指します。

また、特別縁故者として認められるためには、一定の期間世帯を同一にし、
共同生計を営んでいる必要があります。
この期間は、法律上明確に定められているわけではありませんが、
一般的には3年以上が目安とされています。

さらに、特別縁故者として認められる条件には、
周囲から夫婦と認知されていることも重要です。
たとえば、近隣住民や親族から夫婦として認知されているかどうかが、
特別縁故者として認められるかどうかの判断基準となります。

特別縁故者としての条件を満たすと、相続税や遺産分割において、法
定相続人と同等の扱いを受けることが可能となります。
このため、特別縁故者の地位を確認しておくことが大切です。

5.婚姻関係になる

婚姻関係になると、法的な夫婦として認められ、相続や財産分与に関する権利が発生します。
夫婦間の財産関係は法定で定められており、相互に扶養の義務が生じます。
婚姻によって相続人の範囲が広がり、相続税の控除が受けられる等、税制上のメリットも生じます。
婚姻を結ぶ方法として、戸籍上の手続きや婚姻届の提出が必要となります。

婚姻による相続権の変化

婚姻によって相続権が変化し、配偶者相続や遺産分割に関する権利が発生します。
法定相続人として、配偶者は子どもや親族とともに相続財産を分割する権利が認められます。

婚姻によって相続税の計算や遺言書の作成が必要になります。
相続税の控除が受けられ、相続財産を効果的に運用することができます。
また、遺留分を守るために、遺言書を作成し、適切な遺産分割を行うことが大切です。

内縁の妻には認められない権利

内縁関係における妻には、法律上認められない権利がいくつか存在します。
具体的には、遺留分の保証がないこと寄与分や特別寄与料を受け取れないことが挙げられます。

これらの権利に関して理解を深めることで、
内縁関係にあるご夫婦が適切な対策を立てることができます。

遺留分の保証がない

内縁関係にある妻は、残念ながら遺留分の保証がありません。
遺留分とは、遺産分割に際して、法定相続人に最低限保証される財産の取り分を指します。
つまり、内縁の妻は法定相続人ではないため、遺留分を受け取る権利は存在しません。

しかし、遺言によって遺産分配を調整したり、生前に贈与や保険を活用することで、
遺族の生活費などを確保できる可能性があります。

寄与分や特別寄与料を受け取れない

内縁関係の妻は、寄与分や特別寄与料を受け取る権利もありません。
寄与分は、夫婦間の財産分与において、
配偶者が家庭内労働を通じて家庭財産の増加に寄与した分を認められる制度です。
また、特別寄与料は、婚姻関係が破綻した場合に、特別な寄与をした配偶者に与えられるお金です。

ただし、内縁関係にある場合、法律に定められた婚姻関係ではなく、
これらの権利を主張することができません
夫婦が正式な婚姻関係にあることは、様々な権利の保護や法的な違いがあり、
内縁関係から正式な婚姻関係へ移行を検討することは、相続の側面からも一つの方法です。

遺族年金の受給権がない

遺族年金は、亡くなった方の年金保険料の納付状況により、
遺された配偶者や子供に支給される制度です。
しかし、内縁の関係では遺族年金の受給権がないことがあります。

まず、遺族年金を受け取る条件として、戸籍上の配偶者であることが必要です。
内縁の妻は法律上の婚姻関係がないため、この条件を満たせません。
また、子供がいる場合でも、認知されていない子供は遺族年金の対象にならないことがあります。

内縁の妻が遺産を受け取る際の注意点

内縁の妻が遺産を受け取る際には、法定相続人との間で遺産分割協議が必要です。
また、遺言がある場合でも遺留分の権利が生じるため、遺産の配分に注意が必要です。

相続税の面でも注意が必要で、内縁の妻は法定の配偶者控除が適用されません。
このため、相続税の負担が大きくなる可能性があります。

遺産の承継が円滑に進むよう、遺言の作成や専門家との相談を積極的に行い、
遺族のためにも満足のいく解決策を見つけることが大切です。

相続税が2割加算される

内縁の妻が遺産を受け取る際、相続税の計算上、法定の配偶者控除が適用されないため、
相続税の税額が2割加算されることがあります。これは大変な負担となります。

そこで、事前に相続税の対策を講じることが重要です。
生前贈与や遺言書の作成により、税負担を軽減することができます。
また、遺産分割協議や遺留分に関する問題の解決も大切です。

配偶者控除は対象外

配偶者控除は、相続税の計算において、配偶者に対して適用される特別な控除です。
ただし、すべての場合で適用されるわけではありません。
例えば、内縁関係にある夫婦や同性パートナーの場合、法律上の婚姻関係がないため、
所得税の基礎控除以外の配偶者控除は対象外となります。

また、生前贈与によって財産を譲渡している場合や、
遺言によって特定の相続人に財産を譲る場合も、配偶者控除は適用されないことがあります。

内縁の妻との間の子供に相続権はある

内縁の妻との間の子供には、法律上相続権はあります。
内縁の妻との間の子供は、認知された場合、嫡出子と同等の相続権を持ちます。
認知を受けた子供は、法定相続人として親の財産を相続する権利が発生します。

ただし、内縁の妻自身には法定相続権がないため、
遺言書を作成し相続権を認めるなどの手続きが必要です。
このため、内縁関係にある夫婦が、互いに相続権を確保したい場合は、適切な対策が必要です。

認知されている非嫡出子

認知されている非嫡出子は、法律上の父母関係が確立されているため、
嫡出子同様に相続権を有します。
しかし、非嫡出子は嫡出子と比較して相続に関する特別な注意が必要です。

まず、非嫡出子は一定の条件下で親族や他の相続人との相続に関する紛争が発生することがあります。
そのため、相続問題が発生した場合は、専門家に相談することが重要です。
また、遺言書を用意することで紛争を未然に防ぐことができます。

次に、認知されている非嫡出子には、生前に親から贈与を受けることが可能です。
贈与を受ける際には、贈与税の控除や計算に注意が必要となります。

また、非嫡出子は、遺留分や遺贈に関する権利を主張することができます。
遺留分請求を行う際には、適切な手続きを確認しましょう。
認知されている非嫡出子は、相続に関して様々な権利を有していますが、
注意が必要な点もあるため、専門家と相談して適切な対応を心がけることが大切です。

認知されていない非嫡出子

認知されていない非嫡出子は、法律上の父母関係が確立されておらず、相続権がありません。
しかし、彼らにも権利が保護されるべきケースがあるため、以下の方法が考えられます。

まず、認知されていない非嫡出子が父母関係を確立させるためには、
後日認知手続きを行うことが必要です。これにより、相続権や遺産分割などの権利が発生します。

次に、遺言書を作成することで、認知されていない非嫡出子に財産を継承させることができます。
遺言書を作成する際には、遺言執行者を任命することが望ましいです。

認知されていない場合の対策

内縁の関係にある場合、法律上の権利が十分に保護されないため、
遺産相続や遺族年金を受け取るのに問題が生じることがあります。
ですので、認知されていない場合には、以下のような対策が必要です。

  • 遺言書の作成:
    遺言書を作成し、遺産を内縁の配偶者に贈与する意思を明記することで、
    遺産相続の問題が解決できます。
  • 生前贈与:
    遺言が無効になるリスクを避けるために、
    生前に相続財産の一部を贈与することも選択肢のひとつです。
  • 法律相談:
    無料の法律相談や専門家への相談を利用し、適切な対処法を探ることが重要です。
  • 保険の活用:
    生命保険や相続対策の専用保険を活用して、内縁の配偶者が経済的に困らないようにすることも大切です。

これらの対策を組み合わせることで、内縁の関係であっても、
遺産相続や遺族年金の問題を解決できる可能性が高まります。

内縁の妻は遺族年金を受け取れる?

内縁の妻が遺族年金を受け取れるかどうかは、その条件次第です。
遺族年金は、法律上の婚姻関係にある配偶者や子供に支給される制度です。
しかし、内縁の妻は法律上の婚姻関係にはないため、原則として遺族年金の対象外となります。

しかし、一定の条件を満たす場合、内縁の妻も遺族年金を受け取ることが可能です。
その条件とは、次の通りです。

  • 内縁の関係が認知される:
    生活の継続性や子供がいることなど、内縁の関係を証明できる事実が必要です。
  • 遺族基礎年金の請求:
    遺族基礎年金の受給資格を満たす場合、内縁の妻も遺族年金を受け取れます。

これらの条件を満たしていれば、内縁の妻でも遺族年金を受け取ることができるでしょう。

遺族基礎年金

遺族基礎年金は、国民年金の一部であり、
死亡した配偶者が加入していた国民年金の保険料を納めていた期間に応じて支給されます。
遺族基礎年金は、以下の条件を満たす場合に受け取ることができます。

  • 遺族であること: 配偶者や子供など、法律上の遺族であることが必要です。
  • 被保険者の死亡: 国民年金に加入していた配偶者が死亡していることが条件です。
  • 保険料の納付: 配偶者が国民年金に加入し、保険料を一定期間納付していたことが必要です。

内縁の妻が遺族基礎年金を受け取るためには、内縁の関係を証明し、これらの条件を満たす必要があります。遺族基礎年金の受取に関しては、専門家に相談することが望ましいでしょう。

遺族基礎年金の受給条件

遺族基礎年金は、国民年金制度において亡くなった配偶者や子供から、
遺された家族に支給される年金です。受給条件は以下の通りです。

  • 死亡した方が国民年金に加入していたこと
  • 遺族が年金受給資格者であること

年金受給資格者には、次の条件を満たす方が含まれます。

  • 配偶者であること、もしくは子供がいること
  • 未婚の子供が20歳未満、または身体・知的障害者であること
  • 配偶者が65歳以上の場合

年金の受給額は、亡くなった方の加入期間や加入していた制度によって変わります。
また、遺族年金は生活費の補償を目的としているため、
他の年金や所得がある場合、受給額が減額されることがあります。

遺族厚生年金

遺族厚生年金は、厚生年金制度において、亡くなった方の遺族に支給される年金です。
受給資格者は、基本的には遺族基礎年金と同様で、亡くなった方の配偶者や子供が対象となります。
ただし、遺族厚生年金は、遺族基礎年金と比べて受給額が高く、受給期間も長いのが特徴です。

遺族厚生年金の受給条件

遺族厚生年金は、厚生年金加入者の死亡により生活が困窮する遺族を支援する制度です。
受給条件は以下の通りです。

  • 死亡した人が厚生年金の被保険者であったこと
  • 申請者が遺族であり、配偶者、子供、両親を含む。
  • 申請者が受給権を有する年齢であること(例えば、配偶者は60歳以上)
  • 遺族の生活が困窮していることを証明できること

遺族厚生年金を受け取るための手続きは、遺族が亡くなった後に行うことが一般的ですが、
事前に準備しておくことも大切です。

内縁の妻に財産を残すためにできる生前準備

内縁の妻に財産を残すための生前準備がいくつかあります。
まず、遺言を作成し、遺産分割の明確化をしましょう。
また、贈与や生前贈与を行うことで、内縁の妻に相当な資産を移すことが可能です。
生命保険や年金制度を活用することも、内縁の妻が経済的に安定した生活を送るために重要です。

生前贈与の重要性

生前贈与は、相続に関連する様々な問題を効果的に解決するための方法として注目されています。
まず、相続税の節税効果が大きいです。
生前に財産を贈与することで、
法定の控除や非課税限度額を活用しながら税負担を軽減できるからです。
また、遺産分割でのトラブルを回避することも可能です。
家族間での金銭的な対立が生じることなく、円満に遺産を分けることができます。

生前贈与を活用することで、相続人が生活を維持しながら財産を引き継ぐことができます。
実際、相続人が所有する不動産や事業を円滑に継承する際に、
生前贈与が有効な手段となることが多いです。

財産分与の方法

財産分与は、相続人どうしの間で遺産を公平に分配する方法です。
まず、遺産を適切に評価し、各相続人に相続権が発生する財産の価値を把握することが大切です。
そのうえで、遺産分割協議を通じて誰にどの財産を分与するかを決めます。
その際、遺言や遺産分割協議書の作成が有効な手段です。

また、贈与分与によって遺産を配分することも検討しましょう。
相続人に事前に贈与することで、遺産を円満に分配することができます。

遺言書の作成

遺言書は、遺言者の意思を明確に示すことができるとても重要な法的文書です。
遺言書には、遺留分を確保することができ、遺産分割を円滑に進めることができます。
また、遺言書を作成することで、遺産を特定の相続人に贈与することができるため、
相続人間のトラブルを未然に防ぐことができます。

遺言書の作成方法は、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類がありますが、
いずれも法律に定められた手続きを踏む必要があります。
遺言書作成の際は、専門家(弁護士、司法書士など)に相談し、
住民票など手続きに必要な書類を取得・提出します。

まとめ

内縁の関係にあるパートナーは、法律上の配偶者とは認められないため、
相続権は自動的には与えられません。
しかし、内縁の妻が故人の財産を受け取る方法はいくつか存在します。

まず、故人が遺言を残していた場合、その遺言に従って内縁の妻に財産を遺贈することができます。
遺言書があれば、法的な配偶者ではない内縁の妻も遺産を受け取ることが可能です。

生前贈与の形を取る方法もあります。
これは、亡くなる前に財産を内縁の妻に移転することで、
相続とは無関係に財産を確実に手渡す手段です。

特別の寄与分として認められる場合があります。
内縁の妻が故人の事業や生活の支援を行い、その結果として財産が増加した場合、
その貢献を認めて財産の一部を受け取ることが可能です。

これらの方法は、法的な手続きや証明が必要になるため、
実際に進める際には専門家である弁護士に依頼し、アドバイスを受けることが重要です。

内縁の妻には法定の相続権はありませんが、
生前贈与や遺言書によって財産を受け取ることができます。
また、遺産分割協議を通じて円満に財産を分与することも可能です。
このように、内縁の妻にも適切な対策を立てることで、問題を解決する方法は存在します。

相続については、相続放棄を検討する場合や、相続人がいない場合など、
それぞれに複雑な要件も見受けられます。
手続きに時間がかかる場合もありますので、お早めにご相談いただきたいと思います。
当事務所にぜひお気軽にお問合わせください。

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