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民事再生の申立て

2019.07.29
所長ブログ

所長ブログも約1年振りとなってしまいました。
この間、個人的事情もあったのですが、何と言っても、最大の理由は、法人の民事再生の申立てです。
 すでに、一部報道もされていますので記載しても問題ないと思いますが、昨年11月、福島地方裁判所いわき支部に対し、市内の医療法人の民事再生手続きを申立代理人として担当しました。
 民事再生というのは、一言でいうと、債務超過に陥った法人を、倒産させてしまうのではなく(これを破産手続きといいます。)、営業を継続しながら、法人の再生を図る手続きです。病院でいえば、病院の運営は続けながら、法的手続きにより債務の免除を受け、病院として再生させることです。
 これは言葉にするのは簡単ですが、実際に担当してみると、本当に大変な仕事です。債務超過ですから、資金ショートを起こさないように、会計専門家の協力を得て、慎重に資金繰りをしていかなければなりません(そこが、既に営業停止をした会社の破産申立とは別次元に大変な点です。)。一方で、事業をどのような方針で再生していくのかその計画を立て、実行していかなければなりません。自分たちで再生が難しければ、事業ごと譲渡して、買い取ったスポンサーを通じて再生を図ることも有ります。
 今回の案件は、この事業譲渡型でした。スポンサーを募り、支援する資金の金額を算出してもらい、実際にスポンサーを確定するまでは、越えなければならない多くの問題があります(まだ現在進行形の事案なので詳細を書くことはできませんが、幸い、スポンサーも確定しています。)。
 また、債権者である金融機関との交渉も不可欠です。担保権を有している金融機関と交渉して、一定の金額を支払うのと引き換えに何とかこの担保を外してもらうよう交渉しなければなりません。これを別除権協定といいますが、担保権者は(支払いは止めていますので)基本的に競売申し立てをする権限を持っていますから、民事再生で一番の難題とも言われています。
 昨年11月に申し立てた案件ですが、再生手続きはまだ進行中です。これら多くの山を越え、何とかこの民事再生が無事貫徹できるよう、事務所をあげて毎日奮闘しています。この再生が成功に終わり、この医療法人がある地の地域医療を守ることに寄与できたなら、この一年の苦労も報われると思います。
菅田

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