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相続登記の必要書類とは?申請書の綴じ方・書き方と書類の取得について解説

2026.04.30
相続登記の必要書類とは?申請書の綴じ方・書き方と書類の取得について解説

相続で不動産を取得した場合は、
名義を亡くなった方から相続人へ変更する「相続登記」が必要です。

相続登記では、
登記申請書のほか、被相続人の戸籍謄本、相続人の戸籍謄本、住民票、固定資産評価証明書、
遺産分割協議書など、相続の内容に応じた書類を準備します。
必要書類に不足や不備があると、申請がスムーズに進まないこともあるため、
事前に取得先や書き方、綴じ方を確認しておきましょう。

この記事では、相続登記の必要書類、申請書の作成方法、書類の綴じ方、
各書類の取得方法について解説します。

相続登記の申請書と必要書類の準備方法

相続登記をスムーズに進めるためには、提出すべき書類の全体像を正確に把握することが大切です。
ご自身の状況に合わせて、計画的に準備を進めていきましょう。

自分で手続きを行うメリットと司法書士依頼との費用比較

相続登記を自分で行うメリットは、司法書士に支払う報酬を抑えられる点です。
一方で、戸籍の収集や申請書の作成、法務局とのやり取りなどを自分で行う必要があり、
平日の日中に役所や法務局へ確認が必要になる場合もあります。

以下の比較表を参考に、ご自身の状況に合った方法を検討しましょう。

比較項目自分で手続きする場合司法書士に依頼する場合
費用登録免許税、戸籍謄本・住民票・評価証明書などの取得費用、郵送費などの実費実費に加えて司法書士報酬がかかる。報酬は内容や不動産の数によって異なる
手間・時間必要書類の収集、申請書の作成、法務局への申請や補正対応を自分で行う書類収集や申請書作成、登記申請のサポートを受けられ、負担を軽減しやすい

司法書士に依頼する場合の報酬は、事案の内容や地域、事務所によって異なります。
「5〜15万円程度」は目安として紹介されることがありますが、
相続関係が複雑な場合や不動産が複数ある場合は、さらに費用がかかることもあります。

自分で手続きすれば費用を抑えられる可能性はありますが、
慣れない作業で時間がかかることもあります。
費用だけでなく、ご自身の時間や手続きの難易度も踏まえて判断しましょう。

登記申請書と添付書類が果たす役割

相続登記における登記申請書は、
法務局に対して「誰が、どの不動産を、どのような原因で取得したのか」を伝えるための書類です。
一方、添付書類は、申請書に記載した内容が正しいことを確認するための資料です。

登記申請書と添付書類の関係性

  • 登記申請書:
    相続を原因として、どの不動産を誰の名義に変更するのかを記載する書類
  • 添付書類:
    戸籍謄本、住民票、遺産分割協議書など、相続関係や取得内容を確認するための書類
  • 審査のポイント:
    申請書の内容と添付書類の内容に矛盾がなく、相続関係や取得者を確認できること

法務局では、提出された申請書と添付書類をもとに審査が行われます。
添付書類に不足や不備がある場合は、補正を求められたり、
追加書類の提出が必要になったりすることがあります。

漏れを防ぐための必要書類チェックリスト

相続登記をスムーズに進めるには、必要書類をあらかじめ確認し、
漏れがないように準備することが大切です。主な必要書類は以下の通りです。

  • 被相続人の書類:出生から死亡までの連続した戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍など
  • 相続人の書類:相続人全員の現在の戸籍謄本
  • 不動産を取得する人の書類:住民票
  • 不動産に関する書類:固定資産評価証明書、登記事項証明書など
  • 遺産分割協議による場合:相続人全員が実印で押印した遺産分割協議書、相続人全員の印鑑証明書

なお、印鑑証明書は、遺産分割協議書に実印で押印したことを確認するために必要です。
そのため、遺言書に基づく相続登記や、法定相続分どおりに登記する場合など、
手続きの内容によっては不要となることもあります。
必要書類は相続の方法によって異なるため、申請前に管轄の法務局や司法書士へ確認すると安心です。

申請書と添付書類の綴じ方

相続登記の申請では、登記申請書と添付書類を、
法務局が確認しやすいように整理して提出することが大切です。
ただし、綴じ方そのものが登記の成否を決めるわけではありません。
書類の不足や記載内容の不備がある場合は、補正を求められることがあります。

書類の並び順と整理の考え方

相続登記の書類は、審査担当者が内容を確認しやすい順番でまとめるとスムーズです。
一般的には、以下のような順番で整理します。

  1. 登記申請書
  2. 登録免許税分の収入印紙を貼った台紙
  3. 相続関係説明図
  4. 原本還付を希望する書類のコピー
  5. 戸籍謄本、住民票、遺産分割協議書、印鑑証明書などの原本

原本還付とは、法務局に提出した戸籍謄本や住民票、遺産分割協議書などの原本を、
登記完了後に返してもらう手続きのことです。
原本還付を受けるためには、原本とあわせてコピーを提出するのが一般的です。
返却された原本は、銀行や税務署など、ほかの相続手続きでも利用できます。

ホッチキス留めの位置と提出時の注意点

登記申請書や添付書類は、左側をホッチキスで留める形で整理することが一般的です。
書類の端をそろえ、ページが抜け落ちないようにまとめておくと、法務局で確認しやすくなります。

ただし、「左端から約1cm」「上下2箇所」など、
細かい位置まで全国一律で厳格に決まっているわけではありません。
管轄の法務局によって案内が異なることもあるため、不安な場合は提出前に確認すると安心です。

また、原本還付用のコピーを複数枚提出する場合は、コピーをまとめて綴じ、
原本と相違ないことを示すために署名・押印を求められることがあります。

製本テープや契印について

登記申請書や添付書類をまとめる際に、製本テープを使う方法もあります。
ただし、製本テープを使えば契印や押印が不要になるとは限りません。
特に、遺産分割協議書は、相続人全員の合意内容を示す重要な書類であり、
実印での押印や契印の方法に不備があると、手続きに支障が出る可能性があります。

また、原本還付を受けるために添付するコピーについても、
原本と相違ないことを示すための記名・押印や契印が必要になる場合があります。
どこに契印や押印が必要かは、書類の種類や提出方法、
管轄の法務局の運用によって異なることがあります。

そのため、
自己判断で「製本テープを貼れば契印を省略できる」
「全員分の実印を一度だけ押せば足りる」と決めつけず、
事前に法務局や司法書士へ確認しておくと安心です。

原本還付の手続きとコピーの作り方

原本還付とは、相続登記の申請時に提出した戸籍謄本や住民票などの原本を、
登記完了後に返してもらう手続きです。
相続登記で使う書類は、銀行口座の解約や相続税申告など、
ほかの相続手続きでも必要になることがあるため、原本還付を利用すると便利です。

原本還付を希望する場合は、原本とあわせてコピーを提出し、
そのコピーに「原本に相違ない」旨を記載して、申請人または代理人が署名する必要があります。
法務局も、原本還付を希望する場合は、申請人または代理人が原本のコピーを作成し、
そのコピーに「原本に相違ない」旨を付記して署名することで、
原本の返還を請求できると案内しています。

原本還付できる書類とできない書類の区別

区分該当する書類の例
原本還付できる主な書類戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍、住民票、住民票の除票、遺産分割協議書、固定資産評価証明書など
原本還付できない、または返却されないのが通常の書類登記申請書、相続関係説明図、原本還付用に提出したコピーなど
手続き内容により確認が必要な書類委任状、印鑑証明書、遺言書など

※原本還付の可否は、書類の種類や申請内容によって異なる場合があります。
不安な場合は、提出前に管轄の法務局へ確認しましょう。

相続関係説明図を作成して戸籍謄本のコピーを省略する方法

通常、原本還付を受けるには、返してもらいたい書類のコピーを提出するのが一般的です。
しかし、相続登記では、相続関係説明図を提出することで、
特に戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍などについては、
コピーを省略して原本還付を受けられる場合があります。
法務局も、相続登記に添付する戸籍謄抄本などは、
相続関係説明図を提出すれば原本還付を請求できると案内しています。

相続関係説明図には、一般的に以下の内容を記載します。

  • 被相続人の氏名、生年月日、死亡日、最後の住所、本籍地
  • 相続人の氏名、生年月日、住所、被相続人との続柄
  • 誰が相続人になるのかが分かる親族関係

ただし、相続関係説明図でコピーを省略できるのは、主に戸籍関係の書類です。
住民票、遺産分割協議書、印鑑証明書、固定資産評価証明書などについて原本還付を希望する場合は、
別途コピーの提出が必要になるのが一般的です。

「原本に相違ない」旨の文言と署名の書き方

コピーを原本の代わりとして提出し、原本還付を受ける場合は、
コピーの余白などに次のように記載します。

記載例

原本に相違ありません。

令和○年○月○日

住所 ○○県○○市○○町○番○号

氏名 ○○ ○○

コピーが複数枚ある場合は、ページが一体の書類であることが分かるように綴じ、
必要に応じて契印します。押印の要否や押印する印鑑については、
申請方法や管轄法務局の運用によって異なる場合があるため、事前に確認しておくと安心です。

ケース別で異なる必要書類と記載例

相続登記で必要になる書類は、
遺産分割協議による場合、
遺言書による場合、
法定相続分どおりに共有名義にする場合など、
手続きの内容によって異なります。
ここでは、代表的なケースごとに必要書類と注意点を整理します。

遺産分割協議書を作成して相続する場合の注意点

遺産分割協議によって相続登記を行う場合は、
遺産分割協議書と相続人全員の印鑑証明書を提出するのが一般的です。
遺産分割協議書には、相続人全員が実印で押印します。
相続登記では、遺産分割協議による場合、相続人全員の印鑑証明書が必要とされています。

提出時の注意点は、以下の通りです。

  • 遺産分割協議書のコピーを提出して原本還付を受ける場合は、全ページのコピーを用意する
  • コピーが複数枚になる場合は、ページが一体であることが分かるように綴じ、
    必要に応じて契印する
  • 印鑑証明書の原本還付ができるかは、申請内容や法務局の運用によって異なるため、
    事前に確認する
  • 原本と原本還付用コピーは、法務局が確認しやすいように分けて整理する

なお、「相続人全員の契印が必ず必要」とは一律に言い切れません。
遺産分割協議書の形式や綴じ方、原本還付の方法によって扱いが変わることがあるため、
不安な場合は管轄の法務局や司法書士へ確認しましょう。

遺言書の内容に従って相続する場合の注意点

遺言書に基づいて相続登記を行う場合は、遺言書の種類によって必要書類が異なります。
法務局の案内でも、遺言書がある場合は、
自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言など、遺言書の種類に応じた書類が必要とされています。

主な注意点は、以下の通りです。

  • 公正証書遺言:公証役場で作成された正本または謄本を添付する
  • 自筆証書遺言:法務局保管制度を利用していない場合は、
    家庭裁判所の検認を受けた遺言書を添付する
  • 法務局保管制度を利用した自筆証書遺言:遺言書情報証明書を添付する
  • 秘密証書遺言:家庭裁判所で検認を受けたうえで添付する

自筆証書遺言に検認済証明書が付いている場合は、
ホッチキスを外したり、綴じ直したりしないよう注意しましょう。
書類の状態を変えると、手続きに支障が出る可能性があります。

また、遺言書による相続登記では、被相続人の死亡が分かる戸籍や、
不動産を取得する相続人の戸籍・住民票、固定資産評価証明書なども必要になるのが一般的です。
ケースによって追加書類が必要になることもあります。

法定相続分で共有名義にする場合の申請書ルール

法定相続分どおりに不動産を共有名義にする場合は、
登記申請書に共有者となる相続人の氏名・住所・持分を記載します。
法定相続分による相続登記では、
被相続人の出生から死亡までの戸籍、相続人全員の戸籍、
不動産を取得する相続人の住民票、固定資産評価証明書などが必要になるのが一般的です。

申請時の注意点は、以下の通りです。

  • 申請書には、共有者となる相続人全員の氏名・住所・持分を正確に記載する
  • 相続人全員が共同で申請する場合は、申請人欄に各相続人を記載する
  • 代表者1名が他の相続人の分も申請する場合は、委任状を添付する
  • 登記識別情報通知を希望するかどうかは、申請人ごとに確認する

なお、申請書への押印については、
オンライン申請・書面申請の別や法務局の運用によって扱いが異なる場合があります。
「全員の認印が必ず必要」と断定せず、最新の申請様式や管轄法務局の案内を確認しましょう。

書類の取得方法と有効期限の注意点

相続登記では、
戸籍謄本、住民票、固定資産評価証明書、印鑑証明書など、複数の書類を取得する必要があります。
取得先や有効期限の扱いは書類ごとに異なるため、事前に確認してから準備を進めましょう。

市区町村役場で戸籍謄本や住民票を取得する方法

相続登記に必要な戸籍謄本は、本籍地の市区町村役場で取得できます。
また、現在は「広域交付制度」により、本籍地以外の市区町村役場の窓口でも、
戸籍証明書や除籍証明書をまとめて請求できる場合があります。
法務省によると、広域交付では、
本人・配偶者・父母や祖父母などの直系尊属・子や孫などの直系卑属の戸籍証明書等を請求できます。
ただし、郵送や代理人による請求はできず、窓口で顔写真付き本人確認書類の提示が必要です。(moj.go.jp)

広域交付を利用する際の主な注意点は、以下の通りです。

  • 請求できる範囲は、本人・配偶者・直系尊属・直系卑属の戸籍証明書などに限られる
  • 兄弟姉妹や甥・姪などの戸籍は、広域交付では取得できない場合がある
  • 郵送請求や代理人による請求はできない
  • 窓口で、マイナンバーカードや運転免許証などの顔写真付き本人確認書類が必要

なお、住民票や戸籍の附票は広域交付の対象ではないため、
住所地や本籍地を管轄する役場で個別に取得します。

固定資産評価証明書の取得と登録免許税の計算方法

相続登記では、登録免許税を計算するために、
固定資産評価証明書や固定資産税納税通知書などで不動産の評価額を確認します。
相続による所有権移転登記の登録免許税は、
原則として固定資産評価額に0.4%をかけて計算します。
法務局も、相続による土地の所有権移転登記について、
本来は土地の価額に対して0.4%の税率がかかると案内しています。(houmukyoku.moj.go.jp)

たとえば、評価額が1,000万円の場合は、以下のように計算します。

  • 課税標準額:1,000万円
  • 登録免許税:1,000万円 × 0.4% = 4万円
  • 納付方法:計算した税額分の収入印紙を購入し、申請書または印紙台紙に貼付する

実際には、課税標準額は1,000円未満を切り捨て、
算出した税額は100円未満を切り捨てる扱いがあります。
また、一定の土地については登録免許税の免税措置が適用される場合があります。
法務局によると、令和9年3月31日まで、
不動産の価額が100万円以下の土地など一定の相続登記について、
登録免許税が免税となる措置があります。(houmukyoku.moj.go.jp)

印鑑証明書に有効期限がない理由と注意点

遺産分割協議書に添付する印鑑証明書について、
相続登記では「発行後3か月以内」などの一律の有効期限は定められていません。
遺産分割協議書に押された実印が、
本人の実印であることを確認するための書類として使われるためです。

ただし、以下の点には注意が必要です。

  • 相続登記では、印鑑証明書に一律の有効期限はない
  • 遺産分割協議書の日付より前に発行された印鑑証明書でも、
    実印が一致していれば使用できる場合がある
  • 被相続人の死亡前に発行された印鑑証明書でも、
    相続人本人の印鑑証明書であれば直ちに無効とは限らない
  • 金融機関など別の相続手続きでは、
    「発行後3か月以内」「6か月以内」などの条件を求められる場合がある

そのため、相続登記だけで使う場合は古い印鑑証明書でも利用できることがありますが、
銀行口座の解約や証券口座の名義変更などにも使う予定がある場合は、
直近の印鑑証明書を取得しておくと手続きがスムーズです。

法務局への提出と手続きの流れ

相続登記の申請書と添付書類がそろったら、不動産の所在地を管轄する法務局へ提出します。
提出方法には、窓口への持参、郵送、オンライン申請があります。
法務局では申請内容と添付書類を確認し、不備があれば補正の連絡が入ることがあります。

窓口で相続登記の内容を詳しく教えてもらえるとは限らない

法務局の窓口に行けば、
相続登記の手続きや書類の書き方を一からすべて教えてもらえる、とは限りません。
法務局は登記申請を審査する機関であり、
個別の相続トラブルや遺産分割の進め方について、
具体的な法的アドバイスを行う立場ではないためです。

窓口提出時の注意点は、以下の通りです。

  • 登記相談は予約制となっている法務局が多いため、事前に確認する
  • 窓口では、書類の不足や形式的な不備について確認してもらえる場合がある
  • 申請内容に不備がある場合は、後日補正を求められることがある
  • 綴じ方よりも、申請書の記載内容や添付書類に不足がないかを確認することが重要

「審査担当者の心証を良くする」というよりも、
法務局が内容を確認しやすいように書類を整理し、
必要書類を漏れなくそろえて提出することが大切です。

郵送で申請書を送付する際のルールと注意点

平日に法務局へ行く時間が取れない場合は、郵送で相続登記を申請することも可能です。
法務局の案内でも、不動産登記の申請方法として、
窓口提出・郵送・オンライン申請が示されています。

郵送申請をする際は、以下の点に注意しましょう。

  • 不動産の所在地を管轄する法務局へ送付する
  • 封筒に「不動産登記申請書在中」などと記載しておく
  • 重要書類を送るため、書留郵便やレターパックプラスなど、追跡できる方法を利用する
  • 登記完了証や原本還付書類を郵送で受け取りたい場合は、返信用封筒と必要な切手を同封する
  • 補正連絡に備えて、申請書には日中連絡が取れる電話番号を記載しておく

不備があった場合は、法務局から補正の連絡が入ります。
補正方法は内容によって異なり、
窓口での対応が必要になることもあれば、郵送で追加書類を提出できる場合もあります。

オンライン申請を利用する場合の注意点

相続登記はオンライン申請も可能です。
ただし、一般の方が利用する場合は、事前準備が必要になるため、
慣れていないと負担に感じることがあります。

オンライン申請では、主に以下の準備が必要です。

  • 申請用総合ソフトなど、登記・供託オンライン申請システムを利用できる環境
  • 電子署名を行うためのマイナンバーカードなどの電子証明書
  • ICカードリーダーなど、電子署名に必要な機器
  • 添付情報の一部を、別途郵送または窓口で提出する準備

オンライン申請は便利な一方で、パソコンの設定や電子署名の準備が必要です。
戸籍謄本や遺産分割協議書など、紙の原本が必要になる書類は、
別途郵送や窓口提出が必要になる場合があります。

そのため、パソコン操作に不安がある場合や、
添付書類が多い場合は、書面での申請や司法書士への依頼を検討するとよいでしょう。

綴じ方や書類に関するよくある質問

相続登記では、申請書の書き方だけでなく、
収入印紙の貼り方や、登記簿上の住所と住民票の住所が異なる場合の対応などで迷うことがあります。
ここでは、申請前によくある疑問と注意点を整理します。

収入印紙の貼付台紙の作り方と消印のルール

登録免許税を収入印紙で納める場合は、申請書に直接貼るのではなく、
A4の白紙などを印紙貼付台紙として用意し、そこに貼り付けるのが一般的です。

  • 申請書の後ろに、収入印紙を貼った台紙を添付する
  • 収入印紙は重ならないように貼る
  • 貼付した収入印紙には、自分で消印や割印をしない
  • 消印は、法務局側で処理される

誤って自分で消印してしまうと、登録免許税の納付に使えなくなるおそれがあります。
提出前に、収入印紙に押印していないか確認しましょう。

登記名義人の住所が住民票と異なる場合の対処法

登記簿上の被相続人の住所と、住民票の除票や戸籍の附票に記載された最後の住所が異なる場合は、
登記簿上の人物と被相続人が同一人物であることを確認できる資料が必要になります。

追加で取得を検討する主な書類は、以下の通りです。

  • 戸籍の附票:本籍地の市区町村で取得し、過去の住所移転の履歴を確認する
  • 住民票の除票:最後の住所地の市区町村で取得し、死亡時の住所を確認する
  • 改製原戸籍の附票や除かれた附票:過去の住所履歴を確認するために必要になる場合がある
  • 不在住証明書、不在籍証明書など:住所のつながりを証明できない場合に
    補足資料として求められることがある

住所のつながりが確認できないと、追加書類の提出や上申書の作成が必要になる場合があります。
登記簿上の住所と最後の住所が違うと分かった時点で、早めに必要書類を確認しましょう。

専門家に依頼すべきか判断する目安

書類集めや申請書の作成、綴じ方で手が止まっている場合は、
司法書士への依頼を検討してもよいでしょう。
特に、以下のようなケースでは、自分で進めるより専門家に相談した方がスムーズです。

  • 平日の日中に法務局や役所へ行く時間が取りにくい
  • 相続人が多く、書類の収集や署名・押印のやり取りが複雑
  • 登記簿上の住所と最後の住所が一致せず、追加書類が必要
  • 不動産が複数あり、管轄の法務局が複数に分かれている
  • 遺産分割協議の内容や相続人関係に不安がある

相続登記は自分で申請することも可能ですが、不備があると補正対応が必要になることがあります。
費用を抑えたい場合は自分で進める方法もありますが、
時間や手間、不備のリスクを考えると、司法書士に依頼した方が負担を減らせる場合もあります。

まとめ

相続登記とは、亡くなった所有者から新しい所有者へ、不動産の所有権を移す手続です。
売買や贈与とは、目的や必要書類が違います。
2024年4月1日以降、相続登記は義務化され、
不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に申請する必要があります。
義務化前の相続も対象です。(法務)

必要書類の一覧とチェック事項

基本的な申請書類

  • 登記申請書被相続人の戸籍一式
  • 法定相続人の戸籍
  • 住民票などの住所証明情報、
  • 固定資産評価証明書
  • 遺産分割協議書の写し
  • 印鑑証明書など

遺言、遺贈、相続放棄、数次相続、生前贈与、信託、
認知症対策、事業承継など特殊なパターンでは、
必要書類が変わるため注意しましょう。

申請書の記入と綴じ方

申請書には、以下の項目を明記します。

  • 不動産の所在
  • 地番
  • 家屋番号
  • 地目
  • 地積
  • 建物の構造
  • 床面積
  • 課税価格
  • 登録免許税など

基本的に用紙はA4で、ボールペンで記入し、鉛筆は使いません。
書類は、以下のような順に並べると見やすくなります。

  1. 申請書
  2. 収入印紙台紙
  3. 登記原因証明情報
  4. 住所証明情報

原本還付を受けるなら、写しを一緒に入れ、クリップで原本とコピーを分けておくと良いでしょう。

専門家の活用と相談先

自宅、土地、建物を所有している場合や、
相続人が2人以上、長男1人、遠方の家族、持分割合が2分の1ずつなど、
事情はそれぞれ異なります。
難しい場合は、司法書士法人や弁護士、税理士に相談するのもおすすめです。

初回無料、土日祝受付、メール対応のほか、オンラインでの相談を受付している事務所もあり、
また、法務局のホームページからは書式をダウンロードできるサービスもあります。

相続登記は、書類の並べ方や綴じ方だけでなく、
法定相続人、相続財産、税金、権利関係を理解することが大切です。
特に相続人が多数いる、遺留分や債務整理、
口座管理、贈与税・節税が関連するなど問題が大きな事例では、
専門家に相談されることをおすすめします。

料金や実績、所属だけでなく、業務範囲や代理権限、
また個人情報保護方針の掲載内容を検索し、確認してください。
最寄りの法務局や専門家に質問しながら、期限を守って確実に申請を行いましょう。

監修者

弁護士

村上 弘和 HIROKAZU MURAKAMI

司法試験予備試験・司法試験合格を経て、生まれ故郷である福島県いわき市で弁護士として活動。
「法律を知らないことで不利益を受ける人を減らしたい」という思いから、身近で気軽に相談できる法律家を志す。
依頼者一人ひとりに寄り添い、福島・いわきの暮らしや企業活動を支える実効的な法務サービスの提供を心がけています。

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