こんにちは。弁護士の稲田です。
前回に引き続き民事執行法改正(2020年4月1日施行)について解説していきます。今回は不動産調査(民事執行法205条)についてです。
不動産調査の調査対象は「土地等を特定するに足りる事項」(民事執行規則189条)とのことです。恐らく、登記に表示される①所在・②地番(家屋番号)・③地目(種類・構造)・④地積(床面積)だと思われます(※かっこは建物の場合です。)。
照会先は「法務省令で定める登記所」らしいですが、まだ詳細は決まっていないらしいです。
要件は、
① 執行力ある債務名義の正本を有していること
② 財産開示手続を行っており、かつ、それから3年が経過していないこと
③ 執行開始阻害事由がないこと(仮執行宣言判決に対し、担保を立てて仮執行免脱を受けたとき、等)
です。
以前紹介した勤務先調査の要件のうち、「②生命身体侵害に対する損害賠償請求権もしくは養育費・婚姻費用請求権を債権とすること」が外れているので、請求債権に制限はありません。
しかし、やはり財産開示手続を実際に行なっている必要があるので、手続的にはかなり面倒ですね。
ちなみに、財産開示手続は自分で行なわなくとも、別の債権者が申し立てていたのであれば、それでも②の要件は充足します。勤務先調査の場合も同じです。
裁判所HPによると、不動産調査だけはまだ開始日未定で、「令和3年5月16日までに開始予定」だそうです。
以上
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