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相続した不動産の名義変更は自分でできるのか?
2023.11.24
相続
相続した不動産の名義変更は自分でできるのか?

「不動産の名義変更」は、
財産の適切な承継と家族の未来を守る上で非常に重要です。

不動産の名義変更から、必要な書類の準備、手続きの流れ、かかる費用に至るまで、
あなたが直面している具体的な問題に対する答えがここにあります。
正しい手続きによって、財産の無駄な紛争や税金の問題を避け、
将来の世代に安定した財産を引き継ぐことが可能になります。

相続の基礎知識はこちら

相続した不動産の名義変更が必要な理由

亡くなった親の土地の名義変更は必須

「亡くなった親の土地の名義変更」は
亡くなった親の不動産が関わる相続において、避けては通れない重要なステップです。

名義変更の必要性

  • 法的要件の遵守:
    法的には、不動産の所有者が亡くなった場合、
    相続人がその不動産の名義変更を行うことが義務付けられています。
  • 将来的な紛争回避:
    名義変更を行わないと、
    将来的に不動産を売却したい時や遺産分割をする時に
    大きなトラブルに繋がる可能性があります。

名義変更の手続き

  1. 相続人の確定:
    戸籍謄本等で相続人を確定します。
  2. 遺産分割協議:
    相続人全員で不動産の承継について話し合い、遺産分割協議書を作成します。
  3. 必要書類の準備:
    遺産分割協議書、相続人全員の戸籍謄本などが必要です。
  4. 法務局への申請:
    上記書類を法務局に提出し、名義変更を行います。

名義変更に伴う注意点

  • 時効に注意: 名義変更は相続開始後、速やかに行う必要があります。
  • 税金の問題: 相続税や固定資産税の計算基準が変わるため、税務面での相談が必要です。
  • 費用の準備: 登記にかかる費用や司法書士への報酬など、一定の費用が必要です。

債務整理の視点から

  • 負債とのバランス:
    故人が残した負債と不動産の価値を照らし合わせ、相続放棄が必要かどうか検討します。
  • 債務整理の可能性:
    故人の債務が相続財産を上回る場合、債務整理の専門家に相談することが重要です。

亡くなった親の土地の名義変更は、相続人が直面する法的義務であり、
その適切な対応は今後のトラブルを回避し、
安心して財産を管理するための基礎を築きます。

第三者に自分の権利を主張するため

相続の名義変更は単なる手続き以上の意味を持ち、
相続人の権利を保護し、
第三者に対してその権利を有効に主張するために不可欠です。

相続の名義変更の重要性

  1. 法的保護の確立:
    相続によって不動産などの財産を承継した際、
    名義変更は新たな所有者としての地位を法的に確立します。
  2. 第三者への明確な権利主張:
    正式な名義変更により、
    不動産の売却や賃貸、抵当権設定などの際に、
    第三者に対して所有権を明確に主張できます。
  3. 紛争の予防:
    名義変更により、将来的に発生する可能性のある
    相続トラブルや土地利用上の紛争を未然に防ぎます。

名義変更が必要なケース

  • 不動産の売却: 売却を行う前に名義変更が必要。
  • 賃貸やその他の利用: 第三者に財産を利用させる場合。
  • 相続税の申告: 相続税申告に際して、不動産の現所有者としてのステータスが必要。

名義変更に伴うメリット

  • 明確な所有権の確立: 第三者に対する権利の有効な主張。
  • 不動産取引の円滑化: 売却や賃貸の際の手続きがスムーズに行える。
  • 相続トラブルの回避: 相続に関する家族内の紛争を予防。

相続の名義変更は、相続人の権利を守り、
その財産を効果的に管理し活用するために重要です。
適切な手続きとその完了は、
相続人がその財産を法的に確実にコントロールするための基盤を築きます。

故人名義のままでは売却などができないため

故人の名義が不動産などの財産に残っていると、
法的な問題が生じ、売却やその他の取引が行えなくなるのです。
この点を、弁護士の視点から明確に説明します。

不動産売却時の法的要件

不動産を売却する際には、
売主がその不動産の「所有権」を有している必要があります。

故人名義のままの不動産は、法的には故人が所有者とみなされます。
そのため、故人名義の不動産を売却するためには、まず名義変更が必要となります。

名義変更が必要な理由

  • 法的な権利の移転:故人から相続人への所有権の正式な移転が必要です。
  • 売却手続きの正当性:売却手続きを進める際、所有権の証明が求められます。
  • 契約の有効性:所有者でない人物が売却契約を結んだ場合、その契約は無効となる可能性があります。

名義変更に伴うメリット

  • 売却の可能性:名義変更を行うことで、不動産の売却が可能になります。
  • 法的な紛争の防止:適切な手続きにより、将来的な法的紛争を未然に防げます。
  • 資産価値の確保:名義変更を行うことで、不動産の資産価値を適切に管理できます。

このように、故人名義のままでは不動産の売却やその他の法的な取引が困難になるため、
相続発生後は迅速な名義変更が必要となります。
相続手続きは複雑であるため、不明点があれば専門家への相談が推奨されます。

自分で名義変更の手続きをする手順

不動産の名義変更は自分でできるのか?

「不動産の名義変更は自分でできるのか?」という疑問を持つかもしれません。

その答えは、
「はい、できますが、注意が必要!」です。

不動産の名義変更を自分で行う場合、
法的な手続きの理解と正確な書類の準備が求められます。

以下、弁護士の視点から、自分で名義変更を行う際のポイントを明確にします。

自分で不動産の名義変更を行う際のステップ:

  1. 必要書類の確認
    • 不動産登記簿謄本(登記事項証明書)
    • 印鑑証明書
    • 不動産の固定資産税評価証明書
    • その他、特定の状況に応じた書類(例:遺産分割協議書)
  2. 書類の取得
    各書類は市町村役場、法務局などで取得可能です。
  3. 登記申請書の作成
    法務局で提供されている様式を使用します。
    正確な記入が必要です。
  4. 法務局への申請
    必要書類を添えて、所定の法務局に提出します。
    登記手数料の支払いが必要です。

注意点:

  • 法的知識の必要性:不動産登記は複雑な法的手続きです。適切な知識がない場合、間違いが生じやすくなります。
  • 書類の正確性:登記申請書に誤りがあると、登記が受理されない可能性があります。
  • 時効の問題:特定の状況下では、登記を怠ると時効により権利を失うリスクがあります。

弁護士や司法書士への相談のメリット:

  • 専門的な知識:法的な課題や疑問に対応可能。
  • 手続きの正確性:書類の適切な準備と正確な申請。
  • 時間の節約:複雑な手続きを専門家に任せることで、時間を節約できます。
  • 安心感:専門家のサポートにより、手続きの不安が軽減されます。

不動産の名義変更は自分で行うことが可能ですが、
手続きの複雑さや法的なリスクを考慮すると、
専門家への相談をお勧めします。

特に法的な知識に自信がない場合や、
手続きに誤りがあると大きな問題につながる可能性がある場合は、
弁護士や司法書士のサポートを受けることが賢明です。

名義変更に必要な書類の準備

相続による名義変更は、故人の財産を法的に次世代に引き継ぐ重要なプロセスです。

この手続きを自分で行う場合、
正確な書類の準備が必須となります。

弁護士から、以下に分かりやすく必要書類を説明し、その準備方法を提案します。

必要書類の一覧

  1. 戸籍謄本(除籍謄本)
    故人の出生から死亡までの戸籍の全履歴が必要です。
    故人の戸籍所在地の市区町村役場で取得できます。
  2. 相続人全員の戸籍謄本
    相続人全員の現在の戸籍謄本が必要です。
    各自の戸籍所在地の市区町村役場で取得します。
  3. 遺産分割協議書
    相続人全員の合意に基づく文書です。
    全員の署名・押印が必要となります。
  4. 不動産登記簿謄本
    変更する不動産の最新の登記情報が記載されています。
    法務局またはオンラインで取得可能です。
  5. 印鑑証明書
    遺産分割協議書に署名・押印した相続人全員のものが必要です。
    各自の住民登録地の市区町村役場で取得します。
  6. 固定資産税評価証明書
    不動産の評価額を証明する書類です。
    不動産所在地の市区町村役場で取得できます。

書類準備のポイント

  • タイムリーに取得する:
    戸籍謄本などは最新のものが必要です。手続きを始める直前に取得しましょう。
  • 正確さを保証する:
    遺産分割協議書は特に、間違いがないように慎重に作成してください。
  • 相続人間のコミュニケーション:
    分割協議は全員の合意が必要なため、相続人間で十分な話し合いを行いましょう。

自分で名義変更の手続きを行う場合、これらの書類は非常に重要です。

書類が不備なく揃っていれば、法務局での手続きがスムーズに進み、
不要な時間や労力を節約できます。

相続不動産の名義変更を弁護士に依頼すべきケース

相続不動産の名義変更を弁護士に依頼すべきケース

弁護士に依頼すべき主なケース

  1. 複雑な家族構成:
    複数の相続人がいる場合
    相続人間で意見の対立がある場合
    遺産分割協議が難航している場合
  2. 大規模な不動産や高額な財産の場合:
    不動産の価値が高く、税法上の問題が複雑な場合
    不動産が複数ある、または不動産が海外にある場合
  3. 遺言書の存在と内容:
    遺言書の解釈が必要な場合
    遺言書の有効性に疑問がある場合
  4. 特別な法的問題が絡む場合:
    遺留分の問題
    相続放棄や限定承認が必要な場合
    相続税の申告が複雑な場合
  5. 不動産に関する紛争がある場合:
    不動産の共有者間での意見の食い違い
    不動産の売却や賃貸に関する問題

弁護士に依頼するメリット

  • 専門的な法律知識: 相続法や税法に精通しているため、複雑な法的問題の解決に役立つ。
  • 公平な仲介者: 相続人間の対立を公平に仲介し、円滑な遺産分割をサポート。
  • 手続きの正確性: 法律手続きの誤りを防ぎ、将来的なトラブルを避ける。
  • 時間の節約: 複雑な手続きを代行することで、時間と労力を節約。
  • 税金の最適化: 相続税の適切な申告や節税対策のアドバイス。

相続不動産の名義変更は、
場合によっては非常に複雑で専門的な知識が必要になることがあります。

特に、複雑な家族構成、大規模な不動産、
法的な紛争の可能性などがある場合は、
弁護士に相談することをお勧めします。

相続不動産の名義変更にかかる費用

必要書類の取得にかかる費用

相続不動産の名義変更に必要な書類取得に関わる費用について弁護士の視点から説明します。

相続不動産の名義変更に必要な書類とその取得費用

相続不動産の名義変更を行う際には、以下のような書類が必要です。
これらの書類を取得するためには、それぞれに固有の費用がかかります。

  1. 戸籍謄本(除籍謄本)
    • 被相続人及び相続人の戸籍謄本が必要です。
    • 費用:各450円程度(市区町村役場によって異なる場合があります)。
  2. 住民票の除票
    • 被相続人の住民票の除票が必要です。
    • 費用:各300円程度。
  3. 不動産登記簿謄本(登記事項証明書)
    • 対象不動産の登記情報を確認するために必要です。
    • 費用:1通につき600円程度。
  4. 遺産分割協議書
    • 相続人全員の合意形成を示す書類です。
    • 費用:作成に専門家(弁護士や司法書士)を利用する場合、
      数万円程度かかることがあります。
  5. 固定資産税評価証明書
    • 不動産の評価額を証明する書類です。
    • 費用:500円程度(自治体によって異なります)。

総合的な費用の見積もり

これらの書類を集めるための総費用は、
一般的に数千円から数万円程度ですが、
遺産分割協議書の作成に専門家を利用する場合、
その費用が大きな割合を占めることになります。
また、相続人の数や相続財産の複雑さによっても費用は異なります。

費用削減のポイント

  • 書類の自己取得
    必要な書類は自分で役所等に足を運んで取得することで、費用を節約できます。
  • 相続人間の協力
    相続人全員で情報共有し、書類取得の労力と費用を分担する。

相続不動産の名義変更は、手続きの正確性とスムーズな進行が重要です。
費用の面だけでなく、法的なリスクを避けるためにも、
必要に応じて専門家のアドバイスを求めることが賢明です。

登録免許税

この税金は、不動産の名義変更を法務局に登記する際に必要となる費用であり、
相続手続きの重要な部分です。

登録免許税の概要

  • 登録免許税とは:不動産の名義変更を公的な記録として登記する際に国に支払う税金です。
  • 課税対象:不動産の所有権移転登記、抵当権設定登記などが対象です。

相続不動産の名義変更における登録免許税

  • 計算基準:税額は不動産の固定資産税評価額に基づき計算されます。
  • 税率:不動産の種類や評価額によって異なりますが、
    一般的には固定資産税評価額の0.4%が目安です。

登録免許税の具体的な計算例

固定資産税評価額税率登録免許税
1,000万円0.4%40,000円
5,000万円0.4%200,000円
1億円0.4%400,000円

登録免許税の支払い時期と方法

  • 支払い時期:名義変更の登記申請時に支払います。
  • 支払い方法:法務局にて直接支払うか、事前に振り込む方法があります。

注意点

  • 減税措置:相続による登記の場合、特定の条件下で減税されることがあります。
  • 追加費用:登録免許税以外にも、
    司法書士への報酬や必要書類の取得費用が発生することがあります。

相続不動産の名義変更は複雑なプロセスであり、
登録免許税の計算にも注意が必要です。

税額は不動産の評価額によって大きく変わるため、
事前に正確な評価額を把握し、必要な税金を算出しておくことが重要です。
また、減税の可能性や追加費用についても考慮する必要があります。

弁護士報酬

相続不動産の名義変更は、
法的な手続きの複雑さから弁護士のアシスタンスを求めるケースが多いです。
ここでは、弁護士報酬に関する重要なポイントを分かりやすく説明します。

弁護士報酬の概要

弁護士報酬は、主に以下の要素に基づいて計算されます。

  • 時間単位の報酬:弁護士が案件に費やした時間に応じて料金が発生します。
  • 固定報酬:事案の内容や複雑性に応じて、あらかじめ定められた金額。
  • 成功報酬:案件の成果に応じて発生する追加の報酬。

相続不動産の名義変更における弁護士報酬の要素

  1. 相談料
    初回の相談は無料の場合もありますが、通常は時間単位で計算されます。
  2. 手続き料
    名義変更の手続きにかかる基本報酬。
    財産の価値や案件の複雑さに応じて変動します。
  3. 追加費用
    不動産の評価、税金計算など特別な作業が必要な場合に発生します。
  4. 成功報酬
    特に難解な案件を解決した場合、成功報酬が加算されることがあります。

弁護士報酬の目安

以下は、相続不動産の名義変更に関する弁護士報酬の一般的な目安です。

  • 相談料:5,000円~30,000円/時間
  • 手続き料:不動産の価値や案件の複雑さに応じて数十万円から数百万円
  • 成功報酬:解決した案件の内容や成果に応じて変動

弁護士報酬を決定する要因

  1. 不動産の価値:不動産の価値が高いほど、報酬は高くなる傾向があります。
  2. 案件の複雑性:相続人の数、遺言書の有無、遺産分割協議の難易度など。
  3. 地域性:地域によっても弁護士の報酬基準は異なります。

注意点

弁護士選びでは、報酬体系だけでなく、経験や専門性も重要です。
報酬に関しては、事前に明確に確認し、契約時に書面で取り交わすことが望ましいです。

相続不動産の名義変更における弁護士の報酬は、
案件の特性や弁護士の専門性によって大きく異なるため、
個別の相談を通じて詳細を確認することが重要です。

まとめ

相続した不動産の名義変更は、
法的な知識と手続きの理解が必要な複雑なプロセスです。

しかし、基本的な手順と必要書類が整っていれば、
個人でも実施することは可能です。
ただし、注意深く進める必要があります。

相続不動産の名義変更の基本プロセス

  1. 相続人の確定
    故人の戸籍謄本や除籍謄本などを集め、相続人を確定します。
  2. 遺産分割協議
    相続人全員で不動産の分割方法について協議し、遺産分割協議書を作成します。
  3. 必要書類の準備
    遺産分割協議書、相続人全員の戸籍謄本、不動産の登記簿謄本などを準備します。
  4. 登記申請
    法務局にて名義変更の登記申請を行います。この際、登録免許税が必要です。

自分で行う際のポイント

  • 遺産分割協議書の正確性
    相続人全員の同意が必要で、協議書は正確に作成することが重要です。
  • 正しい書類の準備
    必要な書類が不足していると申請は受理されません。
  • 登録免許税の支払い
    不動産の価値に応じて税額が異なります。

専門家への依頼を検討すべきケース

  • 相続人が多いまたは対立している場合
  • 不動産の価値が高額で複雑な評価が必要な場合
  • 遺言書の有無や内容による問題がある場合

相続不動産の名義変更は自分で行うことが可能ですが、
手続きの複雑さや正確性の必要性を考慮すると、
特に複雑なケースでは法律の専門家に相談することをお勧めします。

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